働く船員・社員の声
入社して、人との接し方の価値観が変わるほどの影響を受けた
— 当社に入社して一番伝えたいことはどんなことですか?
同僚・先輩への接し方の価値観がすごく変わりましたね。
船長との接し方も人にもよるのですけど、写真にあるように船長と肩を組むなんてもう当時の学生からしたらとんでもない!
船長は本当にもう雲の上の存在みたいな感じだったので。
人にはよるのですけど、入社して同僚・先輩への接し方の価値観がすごい変わりました。
— 今回インタビューに使用する船長との写真、とてもいい表情でしたね?
船長は少し苦手そうだったのですが、お願いして写真撮らせてもらいました。
学生時代見てきたのは、やっぱどこか他人行儀な状態、航海士の方の話を聞いて裏では仲が良かったのかもしれないけど、学生の視点から見たらやっぱりどっか他人行儀に感じていました。
共栄マリンに入社して、先輩方と接していくうちにあれ?学生時代に想像していたものとなんかちょっと違う!みたいに感じて大きく変わりました。
— 具体的には?
先輩方から注意を受ける時はすごいサバサバしている人が多いのです。
注意を受ける時はぱっと言ってはい終わりみたいな感じが多く、すぐ後にまた楽しく会話をしたりしたら、やっぱり船員でよかったなって、思いますね。
性格が本当にサバサバしてからっとした先輩ばかりなので。
本当になんか、映画で見るような昭和の男みたいな人が多いです。
ぱっと言って、はい、もうそれで終わり!よし!みたいな。
— それは面白い(笑)、そういった先輩から刺激を受けていることありますか?
やっぱりそういう性格見習いたいなと思って。
ネチネチとか言わずにもう言いたいことをパッと言って、それで終わりにしようみたいな。
私がまだ後輩とか何人か入ってきていますので、後輩に対してもこういう感じで接していこうと思っています。
— 職場の雰囲気はどうでしたか。
職場の雰囲気はやっぱり和気あいあい。良いですね。
機関長によっては、機関長とも一緒にお酒飲んだりしていますね。
乗船中は仕事の時間・休み時間のバランスが良く、充実しています!
— ワークライフバランスはどうですか?
今回は陸上休暇が短かったのですが、乗船中は、すごいバランスが取れていると感じています。
699船に乗っていたのですが、釣りを始めました。
仕事が終わったらみんなで釣りして、大物を釣って、「よっしゃ」と言って先輩の部屋で酒飲んでいましたね。
乗船中は、休み時間と仕事の時間ときっちりバランスが取れて、充実しています。
— バランスが取れているとは?
プロジェクトとかによるのですけど、働く時間は働いて、かつしっかり休憩が取れるって意味です。
休憩時間は、休憩に加えて上陸もしっかりできますよ。
仕事のやりがいは、依頼者が喜んでいる様子を直接感じられること
— そもそも、学生時代共栄マリンに興味をもったきっかけは?
定期航路で荷物を運ぶ船は、もちろん大切な仕事ではあるのですが、喜んでいる人の顔が見えづらいと感じていました。
荷物を運んで誰かが絶対に助かっていることは間違いないのですけど、助かっている人、例えばお客様のお顔が見えにくいと思ったのです。
それで、学生時代に企業研究をしていた時に、共栄マリンの企業説明を聞く機会があり、戦艦大和の調査プロジェクトやサルベージ等、いろんな仕事があるんだと興味を持ちました。
例えば共栄マリンでサルベージに携わった時は、相手の船の船員など、船員の立場でも喜んでいる人の顔を感じとれると思ったからです。
— 実際に入社してみて、どうでしたか?
思っていた以上にやりがいを感じられます。
感謝されることが多いです。
— 具体的には?
今回の乗船が結構密度が濃かったのでいろいろあります。
今回の世の中の注目が集まるようなプロジェクトに参加して、サルベージにも行きましたし、あと研究員の方とか乗ってくるプロジェクトも過去何回かありました。
世の中の注目が集まるようなプロジェクトに参加した時も、サルベージに行ったときも相手の顔が見えた。
研究者の方々が乗ってこられたプロジェクトの時、例えば何か魚を捕る。
網かごを仕掛けて魚が結構入っていると、その研究者の方がすごく喜んでいて、その様子を見ると自分もちょっと嬉しくなったりしましたね。
学生時代に想像していたやりがいは、こういう感じですね。
— なるほど、それ以外にもやりがいがあるのですか?
できなかった仕事ができるようになったりした時です。
例えば、手動操船をするときに予定のルートの変針点での回頭がちょっと難しいんですけど、プロッター上の予定ルートとぴったりになったら、ちょっとやりがいを感じますね。
学生と社会人との違い、それは責任の大きさ
— 社会人になって学生とは違う点、戸惑った点はありますか?
学生と違って、やっぱり責任の大きさです。
学生は授業のはじめに「お願いします」授業の終わりに「ありがとうございました」と挨拶をするのですが、私が一番びっくりしたのが、社会人になってワッチに入る時、ワッチの初めは「今までありがとうございました。引き継ぎます。」、ワッチの終わりには「お願いします。」。
この挨拶の「ありがとうございます」「お願いします」の順番が社会人と学生の違いかなと思います。
— 面白い視点ですね。もう少し聞かせてください。
当直始めの「ありがとうございました」は、「前直に対して責任を果たしていただいての“今までありがとうございました”、そしてこれから4時間はもう私が責任を持ちます」という感じです。
終わりの「お願いします」は「次直の人にそれから4時間の責任をとってください、“お願いします”」という感じです。
一方、学生の授業では責任取る必要がないので、授業の始めに1時間ちょっと教えてもらったりするので「よろしくお願いします」という始め方で、終わる時は1時間「ありがとうございました」と終わると思います。
— どんなときに責任を意識しますか?
やっぱりワッチとっているときですね。
学生の時だったら、見合い関係悪いときもぼけっとしていたと思います。
士官の人は忙しそうだなと思ってたいたのですけど、今は見合い関係悪いときとか、もう冷や汗を出しながらやっています。
そういうときにやっぱ責任重大だなっていう意識はあります。
— 責任の自覚は、自然と身に付きましたか?
甲板手のときに段々ちょっとそういう意識が出てきました。
士官と相ワッチの時ですね。
入社当初に感じた不安、そしてOJT
— 入社当初OJTで増員、それから甲板手として乗船した期間は役に立ちましたか?
甲板手の時に覚えた甲板作業がすごい役に立つので、ためになりましたね。
絶対あった方がいいと思います。
— 入社前に抱いた不安はありましたか?
やっぱり人間関係ですかね。一番大きかったのは。
しかし、働くうちにいろんな人を見て「共栄マリンの船員は、人がいいな」という感じで払拭されていきました。
船内の食事はすごく美味しくて、家に帰りたくなくなるほど
— 船の食事はどうでしたか。
すごく美味しいです。
好みに合う司厨長だったら、もうめちゃくちゃ美味しくて、家に帰りたくなくなります(笑)。
特に好きなのが、つけ麺と麻婆豆腐、からすみパスタです。
これから入社する後輩へのアドバイス
— 新しく入社する船員に対してアドバイスはありますか。
まず、社交的になることですね。
あと、私の学校だったら甲板作業とかが全然なく、ロープワークが二の次だったんです。
実際には、役に立つのでロープワークの基本とかだけでも覚えてきた方がいいよとは思いますね。
もやいむすびぐらいはできていて欲しいです。